■甌穴とは… 甌穴とは、川の流れが渦巻き状になることより石や砂が同じところを循環し、
川底の岩盤と接触して侵食されてできた丸い穴でポットホールとも言います。
※図1・2参照 数万年もの長い月日をかけて、自然が作り出した大彫刻と言って過言ではないでしょう。


四万秋鹿の秋鹿橋から下流約130mの間に甌穴があり、
はっきりとわかるものは直径23p〜1.5m・深さ35p〜1.5m、
大きなものになると直径45p〜2.9m・深さ40p〜1.5mといったものもあり、大小あわせると8個の甌穴があります。
中ほどと下流の渕状は、円形のものが長い月日の間につながったものと思われます。
途中の流れ落ちる滝部分の壁面では甌穴の内面と同様に磨きをかけたような岩肌がごらんいただけます。

 
 
■群馬県指定天然記念物
以前、四万川にダムができる前の甌穴は子どもの水遊び場でした。
川底の丸い穴の中へ入ったことのある人も多く居たそうです。
先代の関善平さんもその一人であったそうです。
関善平さんが県議会議員だった頃、視察先の岡山県奥津町で奥津渓谷にある国指定天然記念物を見た時に
「このようなものは四万川にもある」と、帰郷後に早速、群馬県教育委員会の調査員に来てもらいました。
四万温泉協会の長井久夫氏や荒井由平氏ほかの方々と流れの瀬を変えたり、
穴の水をくみ出したりと大変な作業をして調査を行なった後
中之条町教育委員会が天然記念物指定申請書を提出し、昭和46(1971)年に群馬県指定天然記念物となりました。